近畿歯科用品商協同組合

2010年新春講演会

2010年新春講演会を開催いたしました。

日 時  平成22年1月9日(土)
      講演会 午 後 3:00 〜 午 後 4:30

場 所  ラマダホテル大阪 2F「大淀の間」
      
演 題  「言葉は魔物・宝物 〜言葉ひとつでこう変わる・今年は言葉でこう変える〜」

講 師  羽川 英樹 (フリーアナウンサー)
      オフィシャルホームページ 

講演概要

今回も大勢の皆様をお迎えして開催させていただくことができありがとうございました。
羽川さんの講演会の概要をご報告させていただきます。

本題に入る前に放送業界の内部事情をお伝えします。
昨今は東京・大阪の放送業界は最悪の状態です。
@2011年デジタル放送化へ向けて大変なお金がかかること
A若者のテレビ離れ(視聴率の低下)
B不況による大手スポンサーの撤退による売上減
・業界としての対応はカンフル注射で、自腹を切らない外部への要請が行われました。
・放送番組外部委託の制作費を1/3カットされました。
・タレント出演者のギャラ2〜3割カットされました。
 この出演料でやってください、できなければ出ていただかなくて結構です。というようにギャラを値切られます。
・タクシーチケットが廃止されました。
・バラエティ番組のロケは費用がかかるので縮小され、室内での収録番組に切り替えられています。
・番組の縮小 おもいきりテレビの○○○○○さん(出演料1日300万)降板されました。
 他にもギャラの高い人は次々降板されていきます。

男子アナウンサーの初めての仕事としてはスポンサーの名前を呼ぶことですが、たとえば5000万円かかる放送を500万円ずつ10社が協同で出資している場合ですと、その場合は各スポンサー名をそのまま読み上げますが、中に1社700万出資しているスポンサーがあるとしますと、「ごらんの番組は信頼と安全の○○○がお送りします」というように社名のほかにキャッチフレーズをプラスしてアナウンサーとしても気合を入れて言わせて頂きます。
中には、うちは300万しか出せないので、それでというようなスポンサーには、○○○の他「ごらんのスポンサーがお送りしています」というようにテロップで、社名のみの紹介となります。
スポンサーの中には出資の他にタイアップがあります。有名な女優さんに呉服を貸し出し、衣装協力は○○○というようにアピールしてもらうやり方や、太陽にほえろでは、パトカーがトヨタ車、逃げる犯人はニッサン車でした。それではと、それに対抗したのが西部警察で、刑事はニッサン車、犯人はトヨタ車です。
旅館や航空会社では、宿泊費や旅費をただにしてドラマのシーンにイメージとして映してもらう等のやり方をしています。
さて、最近は健康やグルメに関する番組の評判が高く、グルメ評論家の渡辺さんにとって食べられないものがひとつありました。それは関西の滋賀県にある鮒寿司でした。TV取材では顔が映るのでどうしても感情が伝わってしまいます。このとき一口食べて顔をしかめながらも「これ、好きな人にはたまらんだろうね。」自分はやったことはないが、興味はあるという表現でした。お笑いにおいては、東京の笑点は、全て台本が用意されており、いかにもハプニングがあったようにしていますが、座布団のとり方まで決まっています。それに対し大阪では、大筋だけで後はフリートークになっています。
取材番組などでは、話の内容を短い時間にまとめる必要があり、たとえば30秒の内容を20秒で話すようにいわれることがあります。そんなときは句読点を取って話すことにより解説しています。
知り合いの京都市内の歯科医院からスタッフやDrの受け答えを調査するよう覆面調査を依頼されたことがあります。といっても顔が知られているのでスタッフにはラジオの取材ということで入りました。
スタッフが先生に対して敬語を使っていました。
「○○先生は○時にいらっしゃいますのでそうお伝えしておきます」(本来は、「
○○は○時に戻りますので、確かに伝えさせていただきますます。」) 一般企業ではお客さんが一番です。
治療代の説明や、支払いのときで、前回より10円でも高くなるときには、なぜ高くなるのか説明ができていなかったり、相手の顔をみないで「お大事に」と言っている時がありました。話すときは必ず顔を見るようにして、予約時間がきても待たせるときは、「あと○分お待ちください。」の一言をかけることも大切です。
本来はホテル、旅館で指導を行っていました。料理の出し方、企画などの指導です。
サービスは人によって良い場合と悪い場合があります。
・入り口やロビーに宿泊客の名前を出してよい場合と悪い場合、お忍びでこられているときもあります。
・浴場(特に露天風呂など)に時計がない場合、旅館側は時間を忘れてゆったりとしてほしいという気遣いからですが、宿泊客にとっては宴会の時間などが心配で気になる場合があります。そんなときはさりげなく目立たない場所に設置されるように指導しています。
ある北陸の旅館では、一泊2食付きの宿泊費3万円を半額の1万5千円に下げる企画をしていました。その仕掛けのからくりは、泊まってみて旅館もお料理も申し分なかったのですが、部屋での食事のときお酒を頼もうと価格を見るとサントリーのオールドで一万五千円です。これではいくらサービスがよくても客は離れていきます。
ある横浜の、ニュータウンにある歯科医院では、複数の勤務医をおき24時間営業をおこない、駅までの送迎をされています。

さて本題の言葉ですが、身近な関係でコミュニケーションをとる方法をお話しましょう。
日本語の特性として、1つの言葉に2つ以上の意味があります。
CMでは、「キットカットできっと勝つ」このフレーズで商品の販売はヒットしました。
食品メーカーの企画では、受験対象者に「主要3科目に強くなるラーメンは?」答えはエースコック(英・数・国)。
学校の指導では「人の嫌がることをすすんでやりましょう!」というのがあります。本来はトイレ掃除などですが、人の頭をたたくことも考えられます。
京都で外人の方と食事をしたときのことです。食事の合間に仲居さんが、「今日の蟹はどうどした」と聞いてこられ、「大変おいしかった」と答えると、仲居さんが、「そろそろ食事にしましょうか?」と聞いてこられる。これは「そろそろ、しろいご飯を出してもよろしいでしょうか」ということですが外人さんには理解ができず、「既に今まで食事をしているでしょう」と伝わっていません。
あいまいな表現では、「犯人はかぎを壊して侵入した。」本来は鍵ではなく錠のほうです。また散髪に行くとき「頭を刈りに行く」といいますが、髪を刈ります。土曜日は学校がないということも本来は、授業がありません。
応対について
相手の顔をみて 「君のお父さんは元気でやっておられますか?」「はい、父は元気に〜やらせて頂いております。」これは大概の人ができていますが、電話では、「部長の鈴木さんはおられますか?」「はい、鈴木部長さんは、食事に出られております。」この場合は、「はい、鈴木はただいま食事に出ております〜。」ですが、なかなかできていないようです。
過剰敬語も多くなってきています。代表例として、「ご導師様ご入場」という案内がありますが、これは導師という言葉が既に敬語であるのに対し、「ご」と「様」を付けています。お天皇陛下様というような表現です。
関西弁には、同じ言葉を2回繰り返すという特徴があります。「おお寒、おお寒!」関東では「おお寒い」どうもこの大阪の2回目にはありがたいという気持ちが含まれているようです。
しかし、男性が帰りが遅いとき、奥さんに聞かれて「今日は会社の接待、接待」と繰り返される時は、怪しいときかもしれません。
最近の若い人が働く動機は、昇進、昇給より働きやすい職場です。また、年功序列やトップダウンが無くなってきた中で、若者は挨拶ができなくなってきています。
メールでのやり取りにコミュニケーションのとり方が代わってきています。また、怒られるとダメになるのも特徴です。同じ怒るにも、「君がいるおかげで大変助かっているが〜」とフォローをしてからにしたほうが良い。
カラオケで上司が歌っていても自分が歌う次の曲を選曲している事なども気にかかります。
仕事でやめる9割の人は人間関係ですが、反対に、やめない人の理由も9割は人間関係といえます。

伝達能力を強める3つのポイント

@聞く人のリズムを考える
たとえば、「丸を3つ書いてその下に線を一本引いて下さい。」と言っても、聞く人によっていろいろな解釈があります。伝える人にその気があっても、聞く人がその気にならないと伝わりません。帰宅時など、玄関で靴を脱いでいるときに、「お帰り、○○ちゃんが今日学校でね〜があったんだって、ねえ貴方どう思う?」といきなり言われるとどうでしょうか。聞く側は、「ああそう・・・」と聞いた振りをするだけに終わります。
大学の先輩と久しぶりにお酒を飲みに行ったとき、酒好きの先輩で、乾杯の前に、「このお酒は埼玉の○○酒造の○という銘柄で・・・」と延々と話をされたことがあります。とりあえず乾杯してみて、一息ついておいしかったので、「うまいですね」ということで、「ところでこのお酒はどこのお酒ですか?」となります。
通天閣や東京タワーではボランティアの方が案内をされていますが、上る前に下の階で、「このタワーは上まで行くと○○メーターで・・・。」と説明をされても、多くの人は上にあがってから、「このタワーは何メータでしょう?」と聞かれるようです。
ポイントは、相手の人がこっちを向いているか、こちらへ向かしてからコミュニケーションをとることです。
タクシーに乗ると、運転手さんが、「お客さん今日は勝ちましたで」と声を書けれれることがあります。興味がある人は、「どうなった」と聞き返しますが興味がない人は、「ああ、そう」で終わってしまいます。これはお客さんにその気があるかどうか、話をしたいのか、話をしたくないのかの確認を行っているのです。

A見出し、結論から先に話します。
新聞に見出しがないと読めないのと同じで、会話も同じといえます。普通は事の次第を順に話しますが、聞く側には結論から先に伝えます。
コメンテーターや司会者は、必ず4秒で答える訓練をしています。「今年の巨人は優勝するでしょうか?」との問いに、「今年は○○がはいったから〜」との答えるアナはNG、「今年は2位だと思います」と答えてそれから話を続けます。
しかし、このことが役所では「ですから、○○と××など何度も検討させていただきましたが△△ですのでこちらと致しましても・・・」となるようです。

B項目数の予告
自分がこれからはなすことを予告することが大切です。
「今日お伝えするためのポイントは3つあります」と伝えることにより、聞く側の頭の中に3つの籠ができて内容の整理がしやすくなります。
イタリアレストランでお料理の説明に長く時間を取られていらいらされたことはありませんか。
「本日のスープはパンプキン、ポタージュスープ、コンソメとなっておりポタージュは・・・」というところを「当店では、スープを次の3つからお選びいただきます〜」というように説明されたほうが聞きやすいでしょう。
会話においても、「今、お話してもよろしいでしょうか」とまず相手の状況を確認して、今日は30分頂いて3つの提案をさせていただきます。」というようにします。

相手を認める
・繰り返し 相手の言った言葉を繰り返す
 「今日は○○と○○で大変やった。もうフラフラや」 「そう、フラフラなんですね。」
 「今日はくたくたや」 「お父さんくたくたやね。」
 人はピンチになったとき助けてほしいより、わかってほしいのです。
相手を誉める→認める (現状を認識する)

3つの誉め方
・相手の自信のあるところを誉める。
・一生懸命がんばっているところを誉める。
・相手が誉めたところを誉める(常にネクタイを誉めてくれる人には、ファッションに興味があるので、「今日のスーツはいい感じですね」というように誉める。
・単にお美しいではなく、「肌つやがきれい」など具体的に誉める。
・徹底的に誉める。「おたくの説明、説得力はすごい。先ほどの○○では・・・」
・質問を利用して誉める。「これはどこのお皿でしょう?すばらしいお皿ですね」

人をやる気にさせる
クレームを頂いたとき、クレームを受けた社員に、「君がいてくれてよかった」「君はえらい」
YOUメッセージから、メッセージに。「君がいてくれたから私は助かった」「君の会議での発言は良かった、会議がよみがえった・・。」
伝達能力の基本は、お互いに誉めあい、認め合うことです。
そんなことをいっても本当に怖いのは顔でしょう。
第一印象は6秒で好き、嫌いが決まります。私たち中年男性は特に大変です。
ブッシュ大統領は、就任演説の練習時に109回まばたきをしていたそうですが、「落ち着きがないと判断をされる。」との忠告を受け23回に減らしました。
挨拶の第一声は、意識して大きな声で!あたりまえのことですが、このあたりまえのことができることで差ができます。
コミュニケーションにおいてはムードも重要です。オナーがハイテンションであれば元気が伝わります。

信頼関係を作る
名刺交換などにおいても、「今度ご一緒に食事でも」と話をしたときには、1ヶ月以内にはきちんと連絡を行い約束を果たす様にします。言い訳をするとマイナスイメージを相手に与えるので、言い訳はしないことです。
挨拶のときは、挨拶だけに終わらないようにします。たとえば、「おはようございます。」だけで終わらず、「今日は寒いですね。」と付け加えることで、「そうですね、寒いですね。」というようにキャッチボールが始まります。
部下に対しても、「今何が楽しい」「何か悩んでいる」と声がけすることで、部下から信頼される上司になれます。

一番は、自分自身の成長を図ることです。

最後に、「一番は、自分自身の成長を図ることです。」と締めくくられた羽川さんの講演に、会場からは大きな拍手がおこりました。本当は、もつとわかりやすく、面白おかしくお話いただいたのですが、メモ書きから記憶をたどりのご報告で、すべてをお伝えできないのが残念です。羽川さんにとっては失礼かとは思いますが、お許しください。(文責 岩崎昭司)

配信日時:2010-01-14 16:49:29